診断事例

土葺き瓦屋根の桟瓦のズレについて

勝手瓦とは、隅棟際に用いる斜めに切断した瓦のことをいいます。今では全ての瓦を躯体に緊結する必要がありますが、当時は瓦を葺き土の接着力のみで固着させる工法も一般的であったため、経年劣化で勝手瓦にズレが発生してしまう場合があります。勝手瓦のズレに関しては、台風でズレたと思われるお客さんが多いですが、これは葺き土の固着力低下や繰り返される微振動などの影響による、経年劣化による変異であるため、保険は適用されないケースがほとんどとなります。

 平板瓦に関しては、陸棟の棟際の半端瓦が釘等で緊結されていない場合、隅棟に比べて経年劣化の影響で非常にズレやすい傾向にあります。

対策と屋根修理の方法

・一度棟を解体し、勝手瓦に穴をあけて緊結する必要があります。

・棟の芯材や棟金具に関しては再利用可能な場合もありますが、解体した状況によっては交換が必要になる場合があります。

・小さな勝手瓦に関しては、コーキングでの接着で対応可能な場合があります。

・当時の施工方法では、勝手瓦の端切がされてないことが多いので、再施工の場合には端切が必要になります。端切をすることで、耐久性の向上や漆喰の経年劣化の防止に繋がります。

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