診断事例

瓦の留付(緊結)釘の膨張による破損について

瓦屋根の経年劣化による不具合に、「瓦の留付(緊結)釘の膨張による破損」があります。
この不具合は、30年以上前に施工された瓦屋根で発生する事が多く、原因は当時瓦の留付に一般的に使用されていた鉄釘・メッキ釘の経年劣化(錆)による膨張となります。

現在瓦の留付に使用されているステンレス製の釘は当時普及しておらず、また、銅製の釘は柔らかく曲がりやすく高価なため、鉄釘やメッキ釘が一般的に使用されていました。
当時の瓦が現在の瓦よりも瓦を桟木等へ留め付ける釘穴が小さかったことも要因となり、留付釘の太さが経年劣化により釘穴の径より錆て膨張してしまうと、瓦が釘穴から破損して(割れて)しまう不具合が発生します。

30年以上前に施工された屋根に関しては、下葺き材(ルーフィング)の性能が現在と比べて低く、瓦からの雨漏りは室内への雨漏りに繋がってしまう恐れがあります。

対策と屋根修理の方法

・和形瓦の場合は、新しい瓦で差し替えが対応可能な場合もありますが、
 割れた瓦だけ差し替えても、違う個所でまた割れる可能性があります。

・波状瓦等の現在のJIS規格と形状の違う瓦の場合、差し替え用の新しい瓦がないため、
 トタンで差し替えるか、葺き替えを検討して頂く必要があります。
 (当時の波状瓦の在庫を持っている業者の場合は、差し替えで対応できるケースもあります)

※部分的な差し替えをしても、今後も屋根全体で鉄釘による破損の可能性があるため、
 葺き替え工事をご検討いただく場合もあります。

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